配偶者が不倫して離婚する場合、つねに慰謝料は高額になるのか?

Q.不倫をされた側はいくらもらえるのか

夫が不倫をしています。

慰謝料を請求した上で離婚をしたいです。

いくらくらいもらえるものなんでしょうか?

とても腹立たしいので、500万円くらい請求したいです。

500万円の慰謝料が認められた事例

まず、離婚協議で500万円の慰謝料で合意した場合は、500万円を請求できます。

これは当然の原則です。

では、相手が500万円の請求を拒否をして裁判になった場合はどうでしょうか。

平成16年の判例で、500万円の慰謝料請求が認められたものがあります。

4人の子どもがいる夫婦で、20年あまりの同居期間のあと、別居をしたものです。

夫は結婚当初から暴力を振るう事があり、子どもにも体罰を与えたり、別の女性と公然と不貞行為をしたりして、妻との口論が絶えなかったとのことです。

夫は会社を経営しており、7億円以上という多額の資産もあったことから、500万円という高額な慰謝料が認められました。

平成13年の判例では、夫に対する500万円の慰謝料と、不貞相手に対する300万円の慰謝料が認められたものがあります。

これは、2人の子どもがいて、33年もの同居期間がありました。

夫は公務員で、何億もの資産を持っているわけではなかったようですが、妻に対して暴力を振るっていたこと、不貞行為をやめようとしなかったことが重視されたようです。

以上の判例から、慰謝料の額を決定するときに重視される点は、

・同居期間の長さ(長いほど高額になる傾向)

・妻や子どもに暴力や暴言が継続的になされていたこと

・反省もなく不貞行為をやめようとしないこと

・妻には特に責任がなく、ほとんど一方的に夫が悪いこと

にあるのではないかということが伺われます。

夫の行為が、このうちのどれか一つか二つだけである場合は、それだけ慰謝料の額は抑えられる傾向にあるようです。

いずれにせよ、協議による離婚でなく、裁判による離婚で500万円という高額な慰謝料が認められる場合は、かなりレアケースであるといえます。

まとめ

・裁判による離婚で500万円という高額な慰謝料が認められる場合は、かなりレアケースであり、協議による離婚での解決のほうが高くなる場合がある

・自分が抱えているケースの慰謝料の額を判断したい場合は、弁護士に相談すること

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